天使と悪魔の学園へ、ようこそ! ~男装地味子の絶対バレてはいけないヒミツ♥~
「お前、あいつらに興味ないよな?」
「誰ですか?」
「生徒会のやつらだよ」
「ないです」
この質問になんの意味があるのか。
お互いに真顔で会話してるのが、シュールすぎる。
「そうだよな。試験でもその結果出してたもんな」
「試験って……え? あれって、イケメンに興味あるかないかを検査してたんですか?」
なんで入学試験のときにイケメンたちの写真見せられてるのかと思ったけど、なにか意図があったみたい。
「そうそう」
「一体、何のために?」
私が誰かを好きになるかを知りたいとか? なにかの実験ですか?
恋とか推し活とか、私にはそんなのやってる暇なんてないんですけど。
目標は正体をバレずに無事にこの中等部を卒業することだけ。
このまま地味に生活して時よ早く過ぎてくれ、という感じだ。
私は、そう思ってるのに
「生徒会の親衛隊隊長にお前を任命するため」
加賀美先生はやっぱり悪魔だった。
「はいぃぃぃ? 絶対に嫌です!」
私は先生からメガネをぶんどりながら叫んだ。
やってられっかぁ!
「なんでだよ? 名誉なことだろう? お前が真面目なことが認められたんだから」
「嫌ですぅううう、バレたくないんですぅうう!」
人間のルールが通用しないなら、もうひっぱたきたい、この人。
だって、他人と関わったら人間だってバレやすくなるじゃないですかぁあああああ!
「理事長に頼まれて毎回選ぶの面倒くせぇんだよ。男女共々きゃーきゃー言ってるやつらを親衛隊に選ぶわけにいかねぇし。まあ、形だけみたいなもんだから、許せよ」
困ったような顔して、本音出ちゃってますけど?
「そうだな、親衛隊隊長を引き受けてくれるなら、一回密告されてもチャラにしてやる」
「へ?」
すちゃっとメガネをかけながら聞き返す。
密告されてもチャラに?
「チャンスが二回出来たと思えば、やりやすくないか?」
先生が二本の指を立てながら私に言う。
正直、やりやすいかやりやすくないかの問題じゃないと思うんですけど。
「命が一回増えたくらいじゃ……」
いや、待てよ?
一回、増えたということは、一回間違えられれば、噂であいつは人間じゃないってことが拡散されて、その後は安泰なのでは?
「分かりました。絶対に一回はチャラにしてくださいね?」
気が付いたら、そんなふうに答えていた。
「もちろんだ。親衛隊隊長就任おめでとう」
そう言われて、ちょっと後悔する。
内容も聞かずに引き受けてしまったぁああ。
でも、安泰には代えられない。
「じゃ、教室行くか」
加賀美先生は「あいつら怒ってるだろうなー」なんて暢気に言いながら、休憩室の扉を開けた。
私もいそいそと椅子から立つ。
「ああ、そうだ。なんか相談とかあったら俺んとこにいつでも来て良いからな」
横に行くと、先生はそう言って私に笑いかけた。
先生は良い人なのか、悪い人なのか。
「誰ですか?」
「生徒会のやつらだよ」
「ないです」
この質問になんの意味があるのか。
お互いに真顔で会話してるのが、シュールすぎる。
「そうだよな。試験でもその結果出してたもんな」
「試験って……え? あれって、イケメンに興味あるかないかを検査してたんですか?」
なんで入学試験のときにイケメンたちの写真見せられてるのかと思ったけど、なにか意図があったみたい。
「そうそう」
「一体、何のために?」
私が誰かを好きになるかを知りたいとか? なにかの実験ですか?
恋とか推し活とか、私にはそんなのやってる暇なんてないんですけど。
目標は正体をバレずに無事にこの中等部を卒業することだけ。
このまま地味に生活して時よ早く過ぎてくれ、という感じだ。
私は、そう思ってるのに
「生徒会の親衛隊隊長にお前を任命するため」
加賀美先生はやっぱり悪魔だった。
「はいぃぃぃ? 絶対に嫌です!」
私は先生からメガネをぶんどりながら叫んだ。
やってられっかぁ!
「なんでだよ? 名誉なことだろう? お前が真面目なことが認められたんだから」
「嫌ですぅううう、バレたくないんですぅうう!」
人間のルールが通用しないなら、もうひっぱたきたい、この人。
だって、他人と関わったら人間だってバレやすくなるじゃないですかぁあああああ!
「理事長に頼まれて毎回選ぶの面倒くせぇんだよ。男女共々きゃーきゃー言ってるやつらを親衛隊に選ぶわけにいかねぇし。まあ、形だけみたいなもんだから、許せよ」
困ったような顔して、本音出ちゃってますけど?
「そうだな、親衛隊隊長を引き受けてくれるなら、一回密告されてもチャラにしてやる」
「へ?」
すちゃっとメガネをかけながら聞き返す。
密告されてもチャラに?
「チャンスが二回出来たと思えば、やりやすくないか?」
先生が二本の指を立てながら私に言う。
正直、やりやすいかやりやすくないかの問題じゃないと思うんですけど。
「命が一回増えたくらいじゃ……」
いや、待てよ?
一回、増えたということは、一回間違えられれば、噂であいつは人間じゃないってことが拡散されて、その後は安泰なのでは?
「分かりました。絶対に一回はチャラにしてくださいね?」
気が付いたら、そんなふうに答えていた。
「もちろんだ。親衛隊隊長就任おめでとう」
そう言われて、ちょっと後悔する。
内容も聞かずに引き受けてしまったぁああ。
でも、安泰には代えられない。
「じゃ、教室行くか」
加賀美先生は「あいつら怒ってるだろうなー」なんて暢気に言いながら、休憩室の扉を開けた。
私もいそいそと椅子から立つ。
「ああ、そうだ。なんか相談とかあったら俺んとこにいつでも来て良いからな」
横に行くと、先生はそう言って私に笑いかけた。
先生は良い人なのか、悪い人なのか。