日当たりのいいお隣さん
瑠姫「みーくんはそんなラフな感じでいいの?」

美月「うん」

瑠姫「……その顔……当ててあげる、親嫌いでしょ?」

美月「はっ、そうだな」

瑠姫「なんかあったの?話聞いてあげようか」

美月「いや、いいんだ」

瑠姫「そっか。じゃあまずはキミの家に行こうね。嫌なことは先に終わらせよう」

美月「……ああ」


○美月の実家・玄関


美月の母「あなたが美月の彼女さんね」

瑠姫「はい、幸村瑠姫と申します。お口に合うかはわかりませんがお受け取りください」

美月の母「まぁ!この和菓子超人気で予約殺到のものじゃないですか!よく手に入れましたね」

美月(め、珍しく瑠姫が礼儀正しい)


瑠姫のことを横目でチラチラ覗く美月。


美月の父「まぁまぁ、上がっておくれ」

瑠姫「お邪魔します」
 (本当広いお屋敷だなぁ……)



○客室


美月の母「早速だけど聞きたいことがあるの」

瑠姫「はい」

美月の母「あなた、本気で美月を愛しているの?」

瑠姫「……」


美月のことを見つめる瑠姫。


美月(お、俺に何を求めてるんだ……!?)

瑠姫「……はい、最初美月さんに好きだと言われた時は驚きました。だけどそれと同時に、優しい声で、やわい表情で私に微笑みかけてくれた彼に惚れてしまいました」

瑠姫「なので……今は私の方が好きです」


(※ソファの)隣に座っている美月の腕にぎゅっと抱きつく。


美月の母「じゃあ、美月と結婚できる?」

瑠姫「それは——まだわかりません」

美月の母「……そう。でももう手遅れよ」

瑠姫「……?といいますと……」

美月の母「黒瀬に生まれてくる男子は、生涯で1人の女性しか愛せないの」

瑠姫「……えっ」


ポカンとする瑠姫に、そっぽ向く美月。
< 12 / 34 >

この作品をシェア

pagetop