日当たりのいいお隣さん
第九話
瑠姫「……っ」

美月「瑠姫……?」

瑠姫「ご、ごめん私ちょっとトイレ……!!」


2人の手を振り払って行ってしまった瑠姫。


バチバチした空気が流れる。


美月「……アンタ、瑠姫のなんなんすか」

瑞希「うーん……なんだろうね」

美月 俺はわかってしまった。

美月(きっと……この人が瑠姫の一回恋した人……か)


○瑠姫・回想


瑠姫 高校生になって、人生初めての一目惚れをしてしまった

瑠姫 その人には、悪い噂もいい噂も流れている。


女遊びが激しいとか、誰にでも優しいとか。

見るたびに、一緒にいる女の子は変わっていた。


瑠姫 でも……それでも本気で恋してしまったから。

瑠姫 私はフラれる覚悟で告白をした。ずっとモヤモヤしているのは嫌だから。


○図書室


瑠姫「……東先輩、好きです」

瑞希「うん……いいよ、付き合う?」

瑠姫「……え?」

瑞希「俺も結構前からキミのこと気になってたんだよね。高嶺の花さん」

瑠姫「じゃあ、お願いします」

瑞希「うん、タメでいいし瑞希って呼んでいいからね」

瑠姫「わかった、瑞希くん」


瑠姫 瑞希くんとは、色んなところをデートした。私と付き合ってからは他の女の子と一緒にいないし、結構一途に愛されていたと思う。


瑠姫 だけど私は、面白みもない女だから。


瑞希「ごめん瑠姫。別れたい」

瑠姫「……やだって言ったら嫌だよね。わかった、ありがとう」


瑠姫 別れてしまった。

瑠姫 紳士的で、優しかった瑞希くんのことをよく思い出す。きっと未練たらたらだったんだ。

瑠姫 悲しさを埋めるように……なんてわけじゃないけれど、特に好きな人もできないしつまらなかったので色んな人と付き合った。


瑠姫 みんな、誰1人ときめかないしわくわくしなかった……けど


瑠姫 みーくんだけは、ちがった


○回想終了



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