日当たりのいいお隣さん
第三話
次の日。

◇朝・家を出る前

瑠姫 (大変なことが起きてしまった)

瑠姫母【ねぇ聞いてる!?彼氏って本当なの!?】

瑠姫「う、うん……」

瑠姫母【瑠姫ったら、今度こそちゃんと紹介するのよ!】

瑠姫「はぁい……」


プツリと切れた電話。


ピーンポーン


瑠姫「はーい」
  (この感じは……みーくんかな?)

玄関の扉を開ける。


美月「……おはよう」

瑠姫「おはよう。……あれ?顔赤いよ」

美月「気のせいだ、行くぞ」

瑠姫「はーい」

瑠姫 特に一緒に通う約束なんてしていなかったけど、察してすぐに家を出た。


○道


美月「昨日の話だけどさ」

瑠姫「うん?」

美月「瑠姫は何回恋したの?」

瑠姫「うーん……難しい質問だね」

美月「自分でしておいてかよ」

瑠姫「あはは」


考え込む瑠姫。

瑠姫「……1回」

美月「1回か」
  (……一体、誰のことを言っているのだか)

瑠姫「それよりさっ、お母さんにみーくん紹介しろーって言われちゃったんだよねぇ」

美月「奇遇だ、俺もだ」

瑠姫「えっ……嬉しくないんだけど」
 (みーくんの親に会うの嫌だなぁ、めんどくさそう)

美月「俺は嬉しい……って言ったら、どうする?」

瑠姫「却下だね。めんどくさいことはめんどくさい」

美月「はぁ、本当釣れないな」

瑠姫「そんな女だから面白いんでしょ?」


にやりと微笑む。


美月「いや、別にそういうのは求めてないから」

瑠姫「……?そう」
 (こりゃ初めてのタイプだな)



◯学校・教室


モブ「きゃー!!瑠姫様よ!」

モブ2「やば!!瑠姫様超美人」

モブ3「俺も瑠姫様と付き合いてぇ……」


美月(……そろそろかな)

瑠姫「おはよう、みんな」

美月 瑠姫はいつも自分を取り繕って輝いてるみたいだった。だけど、そんな輝きの綻びに惚れてしまった。


「「「きゃー!!!美しいー!!!」」」


美月(高嶺の花って言われんのも納得なんだよな。色んなやつと付き合ってたけど……)


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