魔女狩りの世界の果てで、あなたと愛を歌おう
間奏
◆◆◆
わたしは、金色の光の中をふわふわと浮かんでいた。
美しくて、温かな光。
ああ、なんて心地いいんだろう。
光の粒がだんだんとかたちをなしていき、一匹のオオカミになる。
当然のように、わたしはその背にもたれかかった。
このまま、ずっとこうしていられたらな。
きゅうん、くぅん、と甘い声で、オオカミが鳴く。
オオカミはわたしの頬をぺろ、となめた。
ふふふ、くすぐったい。
わたしはオオカミのあご下を優しくなでた。
ぐるるっと満足気にオオカミがのどを鳴らす。
まるで、猫みたいだ。
「カナ、おれたちは、友だちだ」
うん、ありがとう。
オオカミの声は……、リヒトくんのもの。
やっぱり、この夢の中のオオカミは、リヒトくんをあらわしていたんだ。
「友だち、だ。友、だ、ともともともだちちだちだち、ぐるるるるっ」
……?
オオカミが、苦しそうにうなる。
その時、びゅううっと風が吹くとともに、雪が舞い散った。
猛烈な吹雪にふきつけられ、息が苦しい。
そう、息が、苦しいんだ。
「ぐるるるっ。とも、ダチ。ともだ、ち」
オオカミはわたしを吹雪からかばいながら、苦しそうにしている。
どうしよう、わたしに、何ができる?
ああ、苦しい、苦しい!
だんだんと意識が遠のいていく中、最後に聞こえたのは……。
「とも、だち、ゴッコは、楽しかったかい? あはハはハハハッ!」
……え?
今の声、は……。
リヒトくん?
◆◆◆