魔女狩りの世界の果てで、あなたと愛を歌おう

 直球すぎる!



「……ハッキリ言いますね。ええ、そうです」



 ユキちゃんはなんてこともないように言った。



「……それも、しかたがないんですよ」



 あきらめたように言うユキちゃん。

 それは、違う!

 わたしはぶんぶんと首を振った。



「カナさん?」



 だって、おかしい。ユキちゃんは魔女じゃない。

 ただの、普通の女の子だ。

 それを仲間外れにしてる子たちが、悪いに決まっている。

 わたしはそんなことを手にしていたノートに書きなぐった。



「カナさん……」



 それを読んだユキちゃんの目がうるむ。

 リヒトくんも、優しい顔でわたしのノートを見ていた。



「おれは、ユキの文章力とストーリー、スゴイと思った。
これ、同じ学年のヤツがホントに書いたのか? 
ってくらい驚いたよ。
そんなおまえが、尊敬もされずにいじめられてんのが、むかつく」

「………、わかりました。リヒトさんの気持ち」



 えっ、もしかして、作詞を引き受けるのかな。

 わたしは参加できないけど、そうだったら応援したいな……。



「つまりは、自己満足なんですね。
魔女であるカナさんや、ハブられてるわたし。
そういう、『かわいそうなもの』を踏み台にする。
『見返してやろう』だなんて甘い言葉をかけてね。
……最終的に、話題になればいいんでしょう? 
人気者さん」



 ……!

 ユキちゃんの声は、淡々としていた。

 でも、その瞳はどこまでも暗くて……。

 底なしの穴のように思えた。
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