魔女狩りの世界の果てで、あなたと愛を歌おう
ホッとしつつ、わたしはリヒトくんをじろりとにらんだ。
「そんな顔するなって。
だってさ、魔女なんてもの、なくていいと思わないか?
カナはこうやっておれたちと一緒に曲作りをしてる。
そこに、魔女であるとかどうだとか、関係ない。
カナは、カナだから」
わたしは、わたし……。
どうしよう、すごく、すごく、うれしいよ。
じんとした温かさが胸に広がっていく。
やっぱり、リヒトくん、好きだなあ。
リヒトくんの夢、わたしも応援するよ。
だって、そうすれば、わたしは普通の女の子として、リヒトくんと……。
そんな幸せな想像をして、わたしはふわふわと心地よさにひたっていた。
それが、打ち砕かれると知らずに。