青空の下で君を待つ

オレンジ色のガラス

2.オレンジ色のガラス
夏休み直前だというのに今日から入院をすることになった。
こないだ見た病棟の4階の4人部屋が私の病室だ。
偶然、私以外はその部屋には誰も居なかった。
窓ぎわのベッドに座り空を眺めていた。
飛行機雲がうっすりと出ている。
「あ!皆からの手紙読もっと。」
クラスメイトから昨日、手紙を貰った。
どれも、元気になってね。が書かれていた。
ふと、ベッドに視線を下ろすと綺麗な封筒が2枚置かれていた。
その封筒の送り主は親友の鈴と瑠生からだった。
2つ綺麗な封筒を開け便箋を取り出した。
そこにはぎっしり文字が詰められていた。
鈴は綺麗で優しさのある文字で。
瑠生は勇気のある文字で書かれていた。
鈴は、私と初めて出逢った日のことを
瑠生は、私との学校生活のことを。
2人とも、元気になってね。は書かれていなかった。
書かれていたのは私への想いだった。
胸がだんだん苦しくなり、文字が見えなくなっていく、、。便箋には何滴もの涙が。
蹲りながら便箋を握りしめた。
静かな病室に私の泣き声だけが響いている。
窓から差し込む夕日が私をより一層泣かせた。
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