天使とピュアな悪魔の君と。
声のトーンから、良いことを言おうとしてるわけではないということはわかっていたけど、ここまでハッキリ言われると、さすがに刺さるものがある。
「あーあ、アタシも天使になったら人気になれるかな〜」
「やめときなってー」
2人は、このスタジオには入らず、違う方向へ歩いていったみたいで、だんだん声が遠ざかっていった。
「……はぁ」
他のモデルさんやタレントさんからの嫌味なんて、もう慣れっこだ。
特に私と同じくらいの世代の人たちから言われることが多いのだけど、ここまでハッキリと聞こえたのは初めてだ。
でも、これから女優として、モデルとして生きていくなら、こんなくらいへっちゃらじゃなきゃ。
怖くなんてない。
私は、私のことを応援してくれる人たちのためにこれからもテレビに出続けるんだから……!
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とは言っても。
帰り道を歩く私の足取りは、まるで鉛をぶら下げているかのようにとんでもなく重かった。
予定よりも大幅に早く終わったらしい撮影を終えてテレビ局を出たのは、夜の8時。
すごい、本当に早く終わった……。
マネージャーさんがいつもは送ってくれるけど、今日は特別に用事があって送れないみたい。