天使とピュアな悪魔の君と。




そして、わかったこと2つ目。


「悪魔はお腹空かないんじゃないんでしたっけー?」


「空かないだけで食わないとは言ってねえし」


彼は、天界と呼ばれる空の世界から来た、本物の『悪魔』だということ。


でも、悪魔と言っても、子供の時にアニメで見たような容姿ではなくて。


ツノも生えていないし、漆黒の翼もない。はたから見れば、いたって普通の人間の姿。


でも、この性格じゃ本物の悪魔ってことにも納得しちゃう。


「はいはい、作るから」


「この世で1番美味いやつな」


私はあなたの召使いじゃないんですけど、そんなコメントは喉の奥にしまっておくことにする。


まあ、料理をするのが嫌いというわけじゃないし、むしろ好きな方だからいいけど。

私は、冷蔵庫の中身を確認したあと、料理のレシピ探しを始める。

数日間、私の作り置きを彼にあげたけど、どれも美味しそうに目を輝かせて食べてたっけ。


サラダやカレー、時間がない時用の冷凍食品も。


口には決して出さなかったけど、一瞬で完食して、「おかわりは?」そんなセリフが止まらなかったくらいだ。




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