赤い糸を離してくれない
「説得した。だからまた一緒だから」
目線だけ私に向けた。

「もしかして私が行くから星南にしたの?」
あり得るかもしれない。

正直私はまだ完全に両親の死からは立ち直れていない。

だから時々夜泣いてしまう事もある。そんな時は何故か律人から毎回タイミングよく電話が来る。



そしていつもの調子で「暇だから部屋行く。」と一言だけ言って私が寝付けるまでそばにいてくれる。

律人はピアノのレッスンが終わった後も次の日の予習や復習をしている。だから絶対暇じゃないのに必ず来てくれる。



負担になっているのは分かっているのに私はいつも甘えてしまう。
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