赤い糸を離してくれない
ケーキを味わっているとお兄ちゃんが急に背筋を伸ばして私と律人を見た。

その瞬間部屋の空気に緊張が走った気がする。

「雫、律人。
俺は葉月さんと結婚しようと思ってる」

「えっ……」
私は固まってしまった。
結婚?

冷静に考えればそうか。わざわざ家に来て大事な話って事は普通結婚の報告になる。

だけど私の頭はそこまで回らなかった。
 
「雫、お兄ちゃんは葉月さんと結婚したい。けど雫がまだ受け入れられないならまだ結婚はしない。」

何で……?私が反対したら結婚しないの……?
そんな事するわけない。
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