赤い糸を離してくれない
お兄ちゃんが私の為に自分を犠牲にして私の存在がずっとお兄ちゃんを縛っていたのに。

むしろ凄く嬉しい。お兄ちゃんがやっと私じゃなくて他に大切な人が出来て私から解放させてあげられる事が嬉しい。


そっか、お兄ちゃんも別に新しい家族ができるんだね。


私とは違う別の家族。
そうなると私は1人になるのかな。
胸が痛い。嬉しいのに。喜んでるのに。

「反対なんかしないよ。おめでとうお兄ちゃん。葉月さんこれからお兄ちゃんの事よろしくお願いします」

私は自分の醜い気持ちを隠して精一杯の笑顔を向けた。

私って本当に最低だな。
自分がいざ1人になるってなったらこんなに怖くて仕方がないんだもん。
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