赤い糸を離してくれない
「雫ちゃんありがとう」
葉月さんは少し涙目になりながら私を見つめる。

「雫、ありがとう。結婚しても葉月さんとは当分は一緒には住まないからお兄ちゃんはこの家に居るからな」


「え、何で……?もしかして私が居るから……?」
本当は一緒に住みたいはずだ。だって新しく家族になるんだから。


「雫、そんな言い方するなよ。葉月さんもちゃんと納得してるし雫がせめて社会人になるまでは……」
「そんなの嫌」

私はお兄ちゃんを見た。
「私はもうお兄ちゃんの邪魔になりたくない。迷惑かけたくない。もうこれ以上お兄ちゃんを縛りつけたくない」



どうしよう……泣きそう。
でもこれが私の気持ち。
< 28 / 60 >

この作品をシェア

pagetop