赤い糸を離してくれない
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「2人とも疲れたでしょ?少し寝た方がいいわよ」

柔らかくてお母さんとはまた違った優しい声が聞こえた。
近所に住んでいる水瀬のおばさんだ。

水瀬家とは家族ぐるみで仲が良かった。

私と同じ日に同じ病院で産まれた幼なじみ水瀬律人(みなせ りつと)がきっかけでお母さん達は意気投合した。

そして偶然なのか家も近所でお父さん達も会社の取引先同士ですっかり仲良くなった。

私の家とは違って水瀬家は裕福で律人はピアノを習っていて賞もよく受賞したりしていた。

昔は律人とは幼なじみだけどあまり仲良くなかったし学校でも話したりしなかった。

でも少し前から何故かよく話すようになった。
 
なにがキッカケか私には分からなかったけど、私は律人の弾くピアノが結構好きだったから、話すようになって色々リクエストをすると弾いてくれたので少し嬉しかった。
 
そのピアノを聴きながら私は絵の具を広げて絵を描く。
そんな事も私の普通の幸せな日の一部になっていた。
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