赤い糸を離してくれない
「今までもごめん。」

「今までも……?水瀬くん何も悪い事してないよ」
不思議そうに首を傾げている。

 ……鈍感。

「してた。あと、やっぱり律人って呼んでよ」

自分から突き放したのに都合よくまた引き寄せようとした。

「いいの?嫌だったら大丈夫だよ」
俺の様子も見るように縮こまる。
 

怯えたうさぎみたいで可愛いなんて思ってしまった。
女子に対して可愛いなんて思った事なかった。



「水瀬って呼ばれる方が嫌だ」
前までは俺が他人みたいに接していたのに。
他人って思ってほしくない。


 
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