赤い糸を離してくれない
「律人、帰らなくていいの?」
いくら隣の家だからってもう夜の22時だ。
おばさん達も流石に心配していると思う。

「帰ったら雫泣くでしょ」
ふっ、笑って私を見る。またからかわれた。

「な、泣かない!それにおばさん達も心配してるよ」

「大丈夫。今日は遅くなるって伝えてるし」


「でも明日入学式だし流石に帰らないと……」
律人が寝不足になったりするのは嫌だ。

「律人明日新入生挨拶するでしょ?だから今日ぐらいは負担かけたくないの……」
律人は受験で1番成績が良く代表挨拶に選ばれた。


本人はあまりやりたく無さそうだったけどおばさんとおじさんに念を押されて引き受けた。
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