赤い糸を離してくれない
律人がまだ私の家に居るのは間違いなく私を気にかけてくれているから。
律人は本当に優しいから。


だけどおばさん達は律人の挨拶を楽しみにしている。
だから律人にも何も気にせずに休んでほしいと思った。


「だ、だからそろそろ帰った方が……」
 
「そんなに俺に帰ってほしいの?」
首を傾げて聞いてきた。
形の良い眉毛が歪んでいた。

帰ってほしいわけじゃない。
だけどまた負担をかけている。


「ち、違う。帰ってほしいわけじゃないの……ただ……」
「じゃ泊まる」
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