赤い糸を離してくれない
部屋に入って律人は私の隣に腰を下ろして座る。
最近よく私の隣に座ってくる事が多い気がする。
 

「てか、ちゃんと寝てないでしょ」
私の顔をじっとみる。

そうだった。今酷い顔だったんだ。

絶対いつも以上にブサイクって思われた。
私は思わず下を見て唇を噛む。


「ご、ごめんなさい」
朝から酷い顔を見せてしまった事を謝った。

「何で謝るの。」
「いつもよりもブサイクな顔だから嫌な思いさせたかなって。ごめんなさい……」


律人は大きなため息をついた。
怒っている気がして私はビクッと肩を揺らした。
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