緋色の徴(しるし)・改訂版・リリカとサリエル 魔法の恋の行方シリーズ
「これって、偏平足でしょぉ?
君、足がデカいのに、無理して小さいサイズのを履くのは、よくないよ」

足が・・デカい、偏平足・・ですとぉ!!!

リリカが、観察に余念がないサリエルをにらみつけた。

「おまえ・・人の一番恥ずかしいところ、平気で見やがって!!ヘンタイ天使!・・」

その瞳、サファイアブルーに金色の線が走る。
魔女の力が発動する予兆・・だが

サリエルはまったく動ぜず、足首に自分の指を置き、軽く押し付けた。

「ここ、痛みがありますか?」

この大天使の前では、魔力の発動は無理だ。
おまけに敷地が聖域になっている。
リリカはあきらめて、うつむいた。

うぐっ、うぐっ、
サリエルが見上げると、リリカは唇をかみしめて、鼻息荒く呼吸している。

こんな屈辱・・・
涙と鼻水が同時に出てしまいそうなので、リリカはあわてて鼻を手で押さえた。

サリエルは「まったくしょうがないな」というように、上着のポケットからティッシュを取り出しリリカに渡した。

「ヘンタイって言われてもね。別に、足のサイズは恥ずかしいことではないですよ。
偏平足は結構あるし」
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