緋色の徴(しるし)・改訂版・リリカとサリエル 魔法の恋の行方シリーズ
サリエルはリリカの足首に、湿布を当てて、素早く包帯で巻き付けた。

「やっぱり、すぐに整形外科に行ったほうがいいですよ。医者にちゃんと診てもらったほうがいい」

リリカはもう一度、涙目でサリエルをにらんだ。

魔力が使えるになら、こいつを赤毛のネズミにでもしてやるところなんだが。

「・・一番恥ずかしいところ、見やがって・・ちくしょう!!」

サリエルはあきれたように、リリカの顔を見た。
「足がデカいとか、偏平足とか、そんなに恥ずかしい事ですかぁ?そんなの普通でしょぉ?」

「魔女にとっては・・・普通じゃないんだ!!」
リリカは、ドスの効いた低い声で言った。

シンデレラだって、デカイ足で偏平足だったら、王子は誘わなかったかもしれないじゃないか。

「まぁ、こだわる所は、魔女にもそれぞれあるでしょうがね。
今は足首のほうが優先でしょう?」

リリカはベンチの縁を握りしめて、さらに低い声で言った。

「だ・・誰にも言うなよ!!言ったら殺す!!」

「殺すなんて・・物騒ですね」
くくくっと、サリエルは苦笑した。

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