緋色の徴(しるし)・改訂版・リリカとサリエル 魔法の恋の行方シリーズ
「逃げたのか!!」
アレクサンドラは、ベランダの大きな鉢植えの前にしゃがみ込んで、後ろに腕を伸ばして何かをズルズルと引っ張りだした。
「うん、もぉ!!大丈夫だよ。ちゃんと話せばわかってくれるから」
尻尾を引っ張られて出てきたのは、茶色の猫。
おびえているのか、耳はぴったりと伏せられて、体が強張っている。
アレクサンドラは、足を突っ張って固まっている猫を抱っこした。
「ダーリン。この子、リリカだよ」
リリカ・・リリカ・・?
確かアレクサンドラと同じ大魔女で、結婚式の時に来ていた奴だ。
グルシアは、猫に向かって聞いた。
「お前は大魔女だな。どうやって、ここに入って来られた?」
この建物は天界の結界が張り巡らされており、邪悪なものは入ることができない。
「えーーー、アタシが抱っこしてきたけど」
アレクサンドラが代わりに、困った顔をして答えた。
「ダーリン、コワイ顔しないでぇ・・リリカは話をしに来ただけだから」
「害をなすわけではないのか」
ようやくグルシアは、剣を引っ込めた。
「相談があって来ただけだよ」
猫は、ぴょんとアレクサンドラの胸から飛び降りた。
アレクサンドラは、ベランダの大きな鉢植えの前にしゃがみ込んで、後ろに腕を伸ばして何かをズルズルと引っ張りだした。
「うん、もぉ!!大丈夫だよ。ちゃんと話せばわかってくれるから」
尻尾を引っ張られて出てきたのは、茶色の猫。
おびえているのか、耳はぴったりと伏せられて、体が強張っている。
アレクサンドラは、足を突っ張って固まっている猫を抱っこした。
「ダーリン。この子、リリカだよ」
リリカ・・リリカ・・?
確かアレクサンドラと同じ大魔女で、結婚式の時に来ていた奴だ。
グルシアは、猫に向かって聞いた。
「お前は大魔女だな。どうやって、ここに入って来られた?」
この建物は天界の結界が張り巡らされており、邪悪なものは入ることができない。
「えーーー、アタシが抱っこしてきたけど」
アレクサンドラが代わりに、困った顔をして答えた。
「ダーリン、コワイ顔しないでぇ・・リリカは話をしに来ただけだから」
「害をなすわけではないのか」
ようやくグルシアは、剣を引っ込めた。
「相談があって来ただけだよ」
猫は、ぴょんとアレクサンドラの胸から飛び降りた。