緋色の徴(しるし)・改訂版・リリカとサリエル 魔法の恋の行方シリーズ


グルシアの表情が仕事モードに切り替えた事を、リリカも察したようだ。

「その、最近の魔界事情が大きく変わってさ。
んで、魔女のやる仕事が大きく変わっちゃったんだよ」

リリカはまた大きく口を開けて、アイスクリームをほおばった。

アレクサンドラが、リリカのフォローに入った。

「つまり、魔界ではサキュバスが強くなって、ニンゲン界の誘惑仕事をサキュバスがやることになっちゃったんだ」

リリカは上目遣いに、グルシアを見た。
その目は・・
今まで魔女を目の敵にして、攻撃してきた奴が、本当に協力してくれるのかという猜疑心に満ちたものだった。

「魔女のほうは、なんか真面目な子ばっかりが入ってきて・・
薬草やりたいとか、呪文とか、魔法陣とかね」

リリカはアップルパイの皮に、グサグサとフォークをさして、崩していく。

「それでっ?」

グルシアは、本題になかなか入らないリリカに、イラつく様子を見せた。
まどろっこしい奴だ。

「ああーー、そんで、魔女をやめたいって子がたくさん出てきて、困っているわけ」

「魔女を辞めたい?」
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