緋色の徴(しるし)・改訂版・リリカとサリエル 魔法の恋の行方シリーズ
グルシアは首をひねった。

「うん、魔界と手を切るには、寿退職が一番でさ。アレクサンドラのケースもあるし。
あんたら、天使に徴(しるし)をつけてもらうのが、いいかなって」

「寿退職って・・・」

魔女たちが天使に徴(しるし)をつけてもらいたがっているって・・
そして結婚を望んでいるのか。

信じられない時代になったものだ・・グルシアは大きく息を吐いた。

「アタシとしては、一応、上司なんで、あの子たちの身の振り方を心配しているわけよ。
それでぇ・・」

リリカは、マスカラの濃いまつ毛をバチバチさせて

「オトコ天使と、合コンやったらいいんじゃねーーって思ったわけ」

「はぁ、合コン・・・天使と・・!!」
グルシアはあきれたように、声をあげた。

それにめげずに、リリカは営業用の笑顔をくりだした。

「アンタは天使長だから、部下で、よさげなオトコ天使を、見繕ってくんないかなぁ?」

リリカはそう言って、アレクサンドラに援護を頼むように視線をやった。

「今度の魔女を辞めたいって子たち、真面目だよ」
アレクサンドラが、すぐに補足した。


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