緋色の徴(しるし)・改訂版・リリカとサリエル 魔法の恋の行方シリーズ

天使と魔女の合コン

サリエルは笑顔を浮かべて、リビングの椅子に座った。
オトコ天使としては、5本の指に入るほどの美形であり、すらりとして、どことなく中性的な雰囲気。
今日は濃いグレーのスーツに緋色のネクタイで、隙の無い服装をしている。

「なるほど、魔界も相当、勢力図が変わってきているという訳ね」

サリエルの頭脳は、スーパーコンピューター並みの情報が詰まっている。
常に新しい情報をアップロードし、その状況判断の的確さについては、天界でも折り紙付きだ。

「魔女の廃業について、どこまで協力できるか、判断してほしい」
グルシアがそう言うと、

リリカは急いで合コン希望の魔女のプロフィールと写真を並べた。
そしてサリエルが苦手なのか、横を向いて視線をあわせないようにしている。

「サキュバスのほうが、ニンゲン界ではブームだよね」

サリエルはリリカを見て、ニコッと笑いかけたので、リリカは鼻にしわをよせて威嚇した。

「ニンゲン界は漫画とかゲーム、アニメの影響とか強くなっている。
そもそも、ニンゲンのオトコが、<3次元の女性に苦手意識をもっている>という情報も多くなっているし」

サリエルはそう説明して、リリカを値踏みするように眺めた。

「君さぁ、もっとニンゲン界のオトコを勉強したほうがいいよ。
それに、君のその恰好、いかにもって感じで、オトコは逆に引くよね。
そのスタイルって、レトロだよ。まず、古い!」
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