緋色の徴(しるし)・改訂版・リリカとサリエル 魔法の恋の行方シリーズ
「こんにちは、リリカ君、合コンはどうだった?」

そう言って、グルシアは指を組んだ。
アレクサンドラも、隣にちょんと座って紅茶を入れている。

黙っていても、ラブラブの雰囲気はダダ漏れだ。

アレクサンドラに向けるグルシアの視線は、穏やかで優しい。
信頼して、すべてをゆだねる相手がいるって・・ってこんな感じなのかな。

それに、アレクサンドラの左手の薬指、エメラルドの指輪の輝きが嫌でも目にはいる。

「おかげさまで、デートの約束をしたと・・数件、報告を受けましたけど」

リリカは居心地が悪そうに、そわそわし始めた。

「そうか、それは良かったな」

グルシアが紅茶を一口飲み、ふっと笑ってリリカを見つめた。

「サリエルが変態とは・・?ぜひとも聞きたいね。リリカ君」

ああ・・これは尋問口調だ。
リリカはうなだれた。

「サリエルってさ・・・魔界でも緋色の翼は有名だよね」
アレクサンドラが言うと

「ええ、もちろん。アタシども魔女には、雲の上のお方ですから」
リリカがすぐに答え、そのまま続けた。

「今日は、グルシア殿にも聞いていただきたい、重要なお話があってきました」
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