緋色の徴(しるし)・改訂版・リリカとサリエル 魔法の恋の行方シリーズ
「私たち魔女は・・昔と違い、いまやニンゲン界に害をなす、影響を及ぼす者ではありません。

今までは邪悪とみなされ、徴(しるし)や封印の対象とされていたのですが・・」

リリカは、タブレットを指でスクロールしようとしたが、何か焦っている。

画面がフリーズして、うまく動かないらしい。

「その・・申し訳ありません。魔界の波動がここではブロックされているので・・」

リリカは助けを求めるように、グルシアを見た。

「時間がないので、私のほうで補足説明をします」
グルシアが立ちあがた。

「いや、グルシア殿は魔女と婚姻されているので、バイアスがかかる恐れがあります。
適切な判断材料には、できませんね」

サリエルが手をあげて、異議申し立てをした。

あいつ・・・余計な事言いやがって・・・リリカが、くっと唾を飲み込んだ。

サリエルがすぐに立ち上がり、中央に進み出た。

「私のほうで魔界の状況やニンゲン界における影響力について、調査したことを説明する許可をいただきたいのですが」

長老はうなずいたので、グルシアは眉をひそめて着席した。

サリエルは、リリカの隣に立った。
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