緋色の徴(しるし)・改訂版・リリカとサリエル 魔法の恋の行方シリーズ
手先を中空に上げて四角を描くよう動かすと、スクリーンのような白い空間が出現した。
「まず、このグラフを見ていただきたい。
これは、ニンゲン界に影響を与える者の、種別増減を示しているのですが、
サキュバスが右肩上がりで、上昇している事がおわかりでしょう。
これは需要と供給バランス、つまり、ニンゲンのオトコがサキュバスを求めている現象と言えます」
サリエルは、リリカをチラッと見た。
「サキュバスはコスプレも過激で、バリエーションが豊富です。
アニメや漫画にも数多く取り上げられているので、ビジュアルもいいですね。
それに比べて、魔女は時代遅れでしょう」
サリエルは両手を広げて肩をすくめるように、後ろを振り返り傍聴席の天使たちにアピールをした。
「もはや、魔女は魔界における絶滅危惧種と言えます。
別に封印しなくても、自然消滅するのではないですか?
むしろ今後、保護する対象として魔女を扱うようになるでしょう。
今、天界の我々には、発想の転換を求められているのです」
じじ・・時代遅れ・・絶滅危惧種・・自然消滅・・保護対象・・
リリカは、雄弁に語るサリエルをにらみつけた。
「我々が早急に取り組むべきは、サキュバス対策ではないですか?
このまま魔女対策に取り組むのは、コスパが悪いし、今ここで放置しておいても問題にもならないでしょう」
言い終わると、
サリエルは緋色の衣を翻して自分の席に戻った。
「魔女リリカ殿、特に補足説明がなければ、退出をしてください」
書記役の天使が声をかけた。
「ありがとうございました」
リリカはバックにタブレットをしまい、丁寧に頭を下げて、入って来た扉から出ていった。
「まず、このグラフを見ていただきたい。
これは、ニンゲン界に影響を与える者の、種別増減を示しているのですが、
サキュバスが右肩上がりで、上昇している事がおわかりでしょう。
これは需要と供給バランス、つまり、ニンゲンのオトコがサキュバスを求めている現象と言えます」
サリエルは、リリカをチラッと見た。
「サキュバスはコスプレも過激で、バリエーションが豊富です。
アニメや漫画にも数多く取り上げられているので、ビジュアルもいいですね。
それに比べて、魔女は時代遅れでしょう」
サリエルは両手を広げて肩をすくめるように、後ろを振り返り傍聴席の天使たちにアピールをした。
「もはや、魔女は魔界における絶滅危惧種と言えます。
別に封印しなくても、自然消滅するのではないですか?
むしろ今後、保護する対象として魔女を扱うようになるでしょう。
今、天界の我々には、発想の転換を求められているのです」
じじ・・時代遅れ・・絶滅危惧種・・自然消滅・・保護対象・・
リリカは、雄弁に語るサリエルをにらみつけた。
「我々が早急に取り組むべきは、サキュバス対策ではないですか?
このまま魔女対策に取り組むのは、コスパが悪いし、今ここで放置しておいても問題にもならないでしょう」
言い終わると、
サリエルは緋色の衣を翻して自分の席に戻った。
「魔女リリカ殿、特に補足説明がなければ、退出をしてください」
書記役の天使が声をかけた。
「ありがとうございました」
リリカはバックにタブレットをしまい、丁寧に頭を下げて、入って来た扉から出ていった。