緋色の徴(しるし)・改訂版・リリカとサリエル 魔法の恋の行方シリーズ
ブブブブブ・・

リリカのバックの中に入っていたスマホが、マナーモード着信で振動した。

「ああ、アレクサンドラ?うん、今、エレベーターが止まっちゃった」

「故障して動かないんだ」

サリエルが横で説明したので、リリカはスマホを耳にあてたまま、コクコクうなずいた。

「故障だって・・復旧するまで、閉じ込められて・・
あ・・どうしよう。切れちゃった」

リリカは、スマホの画面のアンテナを確認したが、一本も立っていない。

「故障と電波障害も一緒に起きたのかも。
でも大丈夫だよ。すぐに復旧するはずだから」

うーーーん、リリカは心穏やかではない。

こいつと、・・一緒に閉じ込められた状態・・・

リリカは、エレベーターの隅にしゃがみこんだ。

の緋色の変態天使を、どうあしらえばいいか?

サリエルは腕時計を確認して

「そうだな、30分くらいはかかるかも」

リリカは、緊急ボタンを押し続けるサリエルに声をかけた。

「あの・・今日はありがとうございました。代わりに説明していただいて」

結果的には、こちらの主張を代弁してくれたのだが。

しかし言い方が・・
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