緋色の徴(しるし)・改訂版・リリカとサリエル 魔法の恋の行方シリーズ
「でも・・・アンタみたいなハイスぺなら、もっといいオンナ天使がいるよ」

「僕は、リリカちゃんがいいの!!」

サリエルはそう言いきり、リリカとの距離を詰めた。

その顔は赤く、頬を膨らまして、すねている子どものようだ。

「絶対に、リリカちゃんじゃないとダメなの!」

きゅん・・・
その真剣な表情に、リリカの心臓が跳ねた。

そう言えば、「○○しないと出られない部屋」って、何かあったな・・・

「キスをしたことはある?」

リリカの問いに、サリエルはさらに赤くなりうつむいた。

こいつはこじらせ童貞で、小学生かよっ!!

リリカはバックをあさると、ミントキャンディを取り出して口に放り込んだ。

昨日、焼肉屋で会計をした時に、レジでもらったものだ。

「はじめての奴に多いんだけど、歯がぶつかったりとか、かみつきそうになっちゃったりね」

勢いがすごくてとか、焦って力が入りすぎたり、
オンナノコにとっては、気持ちがげんなりするシチュエーションになることも多い。

「あのさ、だからまず練習しよう。
口移しでミントキャンディを渡すから・・・」

リリカはそう言って、サリエルの額(ひたい)を指で軽くつついた。

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