緋色の徴(しるし)・改訂版・リリカとサリエル 魔法の恋の行方シリーズ
「目ぐらいつぶれよ。恥ずいじゃないか。
それに、本当に好きな奴となら、ヘタクソとかかんけーねぇよ」
「うん・・」
サリエルは、幼子のように従順に目を閉じた。
リリカは軽くサリエルの両頬に手を当てて、唇に触れた。
強いミントの香りが鼻に抜け、サリエルの口にキャンディが転がされた。
唇が離れると、サリエルはうっとりとした目で、キャンディをなめている。
「甘いね・・」
「飴だからね。当たり前だし」
リリカは、一仕事終えたような声をだした。
「今度は、僕から君に渡してもいい?」
「そしたら、これ、動かせよ。約束だぞ」
まさかエレベーターの中で、徴(しるし)をつける行為までは、いかないだろうが。
「うん。リリカちゃんも目をつぶって?」
リリカは覚悟して目を閉じた。
ここから脱出するために、手段を選んでいる暇はない。
飴を渡すゲームなんて、酒場ではよくやる遊びにすぎない。そう自分に言い聞かせる。
サリエルの指先が、リリカの両頬に触れた。
それはキャンディではなく、熱い舌がねじ込まれると同時に、強く吸われる感触。
こいつ・・・何気にうまいじゃんか・・・
それに、本当に好きな奴となら、ヘタクソとかかんけーねぇよ」
「うん・・」
サリエルは、幼子のように従順に目を閉じた。
リリカは軽くサリエルの両頬に手を当てて、唇に触れた。
強いミントの香りが鼻に抜け、サリエルの口にキャンディが転がされた。
唇が離れると、サリエルはうっとりとした目で、キャンディをなめている。
「甘いね・・」
「飴だからね。当たり前だし」
リリカは、一仕事終えたような声をだした。
「今度は、僕から君に渡してもいい?」
「そしたら、これ、動かせよ。約束だぞ」
まさかエレベーターの中で、徴(しるし)をつける行為までは、いかないだろうが。
「うん。リリカちゃんも目をつぶって?」
リリカは覚悟して目を閉じた。
ここから脱出するために、手段を選んでいる暇はない。
飴を渡すゲームなんて、酒場ではよくやる遊びにすぎない。そう自分に言い聞かせる。
サリエルの指先が、リリカの両頬に触れた。
それはキャンディではなく、熱い舌がねじ込まれると同時に、強く吸われる感触。
こいつ・・・何気にうまいじゃんか・・・