緋色の徴(しるし)・改訂版・リリカとサリエル 魔法の恋の行方シリーズ
アレクサンドラは酒好きだから、そこにつけこまれて、うまくおびき出されて捕まった。

しかも、グルシアは危険な大魔女を管理するという名目で、結婚までしたのだ。

それなのに、なんてアレクサンドラは幸せそうな顔をしていやがるのか!

天使のように穢れが無く・・・
とってもきれいで、純白のドレスが似合っていた。

リリカはため息をついた。
徴(しるし)をつけられた彼女は、すでに大魔女ではないし、魔界の所属でもない。

自分には関係ないことなのだが・・・
しかし、問題が・・・
リリカはブーケの白いリボンを指でからめとった。

「お待たせ!!痛みはどうですか?」
サリエルが、籐のバスケットを抱えて速足でこちらに来た。

「ズキズキして・・痛い・・」
リリカは顔をしかめ、身をかがめて、足首に指先を触れた。

「湿布して、保冷材で冷やしましょう。固定しないとマズイかな」

サリエルはひざまずいて、ヒールのポッキリ折れた、華奢なハイヒールを脱がそうとした。

「てめぇ!見るなっ!!」
リリカが、悲鳴に近い声を上げた。

サリエルはヒールを地面に置いて、リリカの足を自分の膝にのせた。
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