梅雨夜景、いとめでたし
梅雨夜景、いとめでたし
彼女は最上階にある食堂のテラス席に座っていた。


「こんな所にいて、体に障るぞ。」

「今日は暖かいから平気だよ。」

「何見てたんだ?」

「スカイツリー。晴れてるから良く見えるんだ。それより、午後の授業はどうしたの?」

「サボった。」

「不良ー」

「誰が不良だ。」

「君だよ君。学年一位の秀才君もこれで不動の地位から落ちるわけだ。」

「半日授業出ないくらいで変わんねーから。そんなこと言ってると勉強教えねーぞ。」

「卑怯だぞ。極悪非道とは君みたいな人間を言うんだぞ!」

「俺はどんだけの悪人なんだよ。」

「ここが江戸なら市中引き回しのうえ張り付け獄門レベルには悪人だな。」

「大罪人だな。取り敢えず、お前の俺への評価が悪いのは分かった。」


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