梅雨夜景、いとめでたし

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「公助、ちょっと聞いて。」

「ん?」

「昨日、検査結果聞きに行ったの。」

「あー、ちょっと前に検査したって言ってやつか。」

「そう!」

「診察室入ったら、先生のデカいパソコン画面が患者側にも見えるようになってて、大きめな字で、しかも赤字で、悪性って見えたの!」

「はっ?…」

「先生、神妙な顔で検査結果言うんだけど、『知ってますー!』って言いそうになったわ。あっ、次の古文、移動教室だ。」

「待て待て。」


俺はそのまま教室を出ようとする環奈の襟首をガシッと掴んで止めた。


「ちょっと環奈さん?聞いてほしいことが違う気がするんですが?」

「?」

「"?"を顔に浮かべるなー
昼休み屋上集合。最優先事項。お前に拒否権はない。」

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