冷酷弁護士と契約結婚
翌朝家に戻ると、なぜか鈴音は涼介の膝の上に横向きに座っている......
というか、座れせられている。
ローテーブルには本、タブレット、クッキーと鈴音が大好きなスパイスココアもある。
無糖ココアにシナモンやジンジャーなどのスパイスを混ぜ、
温めた牛乳を注ぎはちみつで甘さを調整する鈴音オリジナルのココア。
今日は涼介が用意してくれた。
「作り方曖昧にしか覚えてないから、味の保証はないが。スパイスの分量が分からなくてな」
「大丈夫、とても美味しいです。涼介さんありがと。」
「そうか、よかった」
涼介は優しく微笑んだ。
「あ、あの涼介さん、もう下して。私重いし涼介さんも疲れちゃう」
降りようとする鈴音の傷を気遣いながら、涼介は優しく抱きしめる。
「全然重くない、むしろ軽すぎるくらいだ。俺がこうしていたいんだ、いやか? 」
首を横に振った鈴音に
「こうしていると落ち着くんだ。それにそろそろ痛み止めが効いてくる頃だろう?
眠くなる成分も入っているからこのままでいいよ」
数分後寝落ちした鈴音にブランケットを掛け、そっと額にキスを落とす。
退院以来涼介は甲斐甲斐しく鈴音の世話をしている。抜糸までの二週間初めての有休も取った。
『大切な人を失いたくない』と感じたあの日から、とことん彼女を甘やかしている。
少しずつ傷口が癒え痛みが軽減しても、鈴音は軽い家事すらさせてもらえない。
傷口は抜糸まで濡らせないため、ラップでぐるぐると巻き短時間でシャワーを浴びる彼女に対し
「一緒に入ったらもっと簡単だろう?俺が洗ってやるのに」
涼介は真っ赤になっている鈴音をからかう。
左肩が痛くて腕があげられなかった鈴音の髪を毎日洗うのが習慣になり、痛みがほとんどなくなってからもそれは続いている。
ドライヤーで乾かされるのが心地よく、鈴音はよくウトウトしてしまう。そんな彼女を愛おしくて仕方がない。
「もう一人で髪の毛も洗えるし、そろそろ家事も再開したいの......」
「最低抜糸まではダメだよ。」
(まるでお姫様になった気分。毎日こんなに尽くされていいのかな?
温かく甘いシロップの温泉に浸かっているみたい。
いつかはここから出なければいけないけれど、出たくない......
もっとここに浸かっていたい。
ずっとこのこのままでいたい)
というか、座れせられている。
ローテーブルには本、タブレット、クッキーと鈴音が大好きなスパイスココアもある。
無糖ココアにシナモンやジンジャーなどのスパイスを混ぜ、
温めた牛乳を注ぎはちみつで甘さを調整する鈴音オリジナルのココア。
今日は涼介が用意してくれた。
「作り方曖昧にしか覚えてないから、味の保証はないが。スパイスの分量が分からなくてな」
「大丈夫、とても美味しいです。涼介さんありがと。」
「そうか、よかった」
涼介は優しく微笑んだ。
「あ、あの涼介さん、もう下して。私重いし涼介さんも疲れちゃう」
降りようとする鈴音の傷を気遣いながら、涼介は優しく抱きしめる。
「全然重くない、むしろ軽すぎるくらいだ。俺がこうしていたいんだ、いやか? 」
首を横に振った鈴音に
「こうしていると落ち着くんだ。それにそろそろ痛み止めが効いてくる頃だろう?
眠くなる成分も入っているからこのままでいいよ」
数分後寝落ちした鈴音にブランケットを掛け、そっと額にキスを落とす。
退院以来涼介は甲斐甲斐しく鈴音の世話をしている。抜糸までの二週間初めての有休も取った。
『大切な人を失いたくない』と感じたあの日から、とことん彼女を甘やかしている。
少しずつ傷口が癒え痛みが軽減しても、鈴音は軽い家事すらさせてもらえない。
傷口は抜糸まで濡らせないため、ラップでぐるぐると巻き短時間でシャワーを浴びる彼女に対し
「一緒に入ったらもっと簡単だろう?俺が洗ってやるのに」
涼介は真っ赤になっている鈴音をからかう。
左肩が痛くて腕があげられなかった鈴音の髪を毎日洗うのが習慣になり、痛みがほとんどなくなってからもそれは続いている。
ドライヤーで乾かされるのが心地よく、鈴音はよくウトウトしてしまう。そんな彼女を愛おしくて仕方がない。
「もう一人で髪の毛も洗えるし、そろそろ家事も再開したいの......」
「最低抜糸まではダメだよ。」
(まるでお姫様になった気分。毎日こんなに尽くされていいのかな?
温かく甘いシロップの温泉に浸かっているみたい。
いつかはここから出なければいけないけれど、出たくない......
もっとここに浸かっていたい。
ずっとこのこのままでいたい)