冷酷弁護士と契約結婚
男が苦手な彼女


11月末に退職してもう10日たった。その間ほとんど部屋にいる...

怖くて外に出たくない。




第一希望の伊乃国屋コーポレーションへ就職が決まり、秘書課での仕事にも慣れ毎日が楽しかった。

でも全て変わってしまった、あの日から......

最初は1週間に一度届いていた手紙が、いつからか毎日届くようになった。

警察にも相談したが、具体的な助けはない。

心配してくれた先輩で私の教育係でもある西村和子(にしむらかずこ)さんが、

会社の顧問弁護士、伊集院圭介(いじゅういんけいすけ)先生に相談することを勧めてくれた。

圭介先生は親身になって、退職後も連絡をくれ心配してくれる。

ただ圭介先生は今とても忙しがらしく、

先生の息子さんで弁護士でもある伊集院涼介先生が担当してくれるみたい。




茶色の大きな瞳と栗色の髪は父親譲り、東北出身の母親と同じ白い肌、150センチの小柄な私はよく可愛いと言われる。

ただこの外見のため、男性からは欲しくもない注目を集め、女性からは嫉妬を集めてしまう。

痴漢被害にも多々あって、男の人は苦手だ。

出来るだけ人と関わらない様にし、目立たぬように過ごしてきた。

だからいつも俯いてなるべく人と視線を合わせないようにしている。
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