冷酷弁護士と契約結婚
翌朝二人で区役所へ結婚届提出し、契約結婚、ニセ夫婦のスタート。

涼介は持っている結婚指輪を鈴音にはめ、彼女も涼介の指にはめた。






伊集院総合法律事務所では、所長である圭介が鈴音を涼介の秘書と初めに紹介し、続けて二人の入籍を発表。

みんな涼介の女性に対しての態度を知っていたため、驚きを隠せなかったが、喜んで拍手を送った。

「どおりで涼介先生の表情が穏やかなわけだ!」

他の弁護士が叫び、みんなの笑いを誘う。





入籍してから1ヶ月、お互いこの生活にも慣れ、思いのほかニセ新婚生活は順調。

休日は二人で出掛けることもあるが、基本家で映画を見たり読書をしたり過ごしている。

「おかえりなさい、涼介さん。お疲れ様でした」

「あぁ、ただいま。夕飯の前に見せたいものがある。先に着替えてくるから、リビングで待ていてくれ」

ソファーで待っている鈴音の隣に座り、細長いベルベットの箱を見せた。

「今日やっと出来上がった。これはGPSだ。お前のケータイにも入っているが、

ケータイがなくても居場所が確認できる。

この1ヶ月ヤツからの接触もないし、ほとんどの時間は俺が側に居てやれる。

このマンションもセキュリティ上安全だが、

万が一のためにこれを常に着けておきなさい。わかったか?」

箱の中には一粒のサファイアのような輝きのネックレス。頷く鈴音にネックレスをつける。

「うん、似合っている」

涼介は満足気に微笑んだ。
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