プロポーズは突然に
0.The Prince

序章



幼少期の頃の記憶。


学校で将来の夢を発表をする記憶が薄っすらと甦《よみがえ》る。



今も変わることのない幼少期からの夢。


それは、王子様から指輪を貰うこと。


つまり、シンデレラになるということであって、好きな人と結婚するということだ。



両親から沢山の愛情を注いでもらったのもあってか、幼少期の頃から結婚を夢見るようになった私は、パパみたいに優しくてカッコイイ男性と結婚をして、ママのように毎日、ニコニコと笑って幸せだと思える生活を過ごしたいなと思うようになっていた。



幸せそうな両親を見ていくにつれ、私にとって結婚とは=幸せという考えになったのだ。
 

だけど、そんな夢を学校で発表して、気づけばもう32回目の誕生日を迎えようとしている(焦り)。



私、茅島《かやしま》小春《こはる》、32歳、独身。


友人が一人、また一人と既婚者になっていく中、未だ長年交際を続けている同い年の彼氏からのロポーズの言葉を頂けていない(2回目の焦り)。


ねぇ?


いつになったらプロポーズしてくれるの?


ダイヤのついた指輪はまだなの?



早く結婚して幸せになりたい私は今日も心待ちが焦りへと変わっていく……。
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