年下上司の溺愛は甘すぎる
「起きたの?」

「うん⋯いい匂いしたから」


先程までのベッドで横になっていたため光輝の黒い髪は寝癖でぴょんと跳ねていた。
上半身裸のままズボンだけ履いた姿でキッチンに現れると、フライパンを振る私の背後からギュッと抱きついてくる。


「ちょ⋯光輝、料理中だよ?」

「ご飯もいい匂いするけど瀬奈もいい匂い」

「んっ⋯」


背後から私を抱きしめながら首元に顔を埋めて囁かれると、吐息がかかり思わず小さな声が漏れる。
そのまま光輝はコンロの火を消し、流れるように私の首元に手を添えると自然な動作で私の身体を反転させねっとりと唇を奪った。


「んッ⋯っぁ」


器用に口内で舌を絡め取られ唾液が交わり、くちゅくちゅと卑猥な水音を奏でる。
この優しくも艶かしい光輝のキスが私は好きだった。
ゆっくりとした舌の動きが私への愛情を表しているような気がして心が満たされていく。
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