大嫌いで大の苦手な強面上司が私だけに優しくしてくるなんて聞いていない
第2話
にこりと微笑む本条部長。女神のようににこにこと微笑む彼を見ているだけでほんと調子が狂う気がする。嫌いな人で苦手な人からこんなに優しくされると自分が保てなくなりそうだしそれにドキドキが止まらないし……。
けど妹達が言っていたようにまだ信用しちゃいけない気がする……!
「では今日のスケジュールを確認します。今日松山君のお子さんが高熱を出してしまい、彼の奥さんも出張でおらず誰も世話できる人がいないからという事でお休みになりまして。なので彼の営業先へ私とまおさんが代理で行く事になりました」
「ふぇっ」
いきなり営業先へ行くのか?! 私はそのような経験は無いからうまく出来るだろうか。
しかも本条部長と2人っきり……。
「わ、分かりました。けどその私営業の経験ないですけど大丈夫ですか?!」
「あなたは私のそばにいるだけで大丈夫です」
(なんか遠巻きに私は使えないと言われてる気がしてる……でも実際そうだよね)
だって私は営業経験ゼロ。そんな人が戦力として使えるかと聞けば絶対にノーなのは分かり切ってる。
「や、なんかすみません」
「なんで謝るんですか?」
「だって私営業未経験ですし絶対戦力にはならないでしょうから」
「そんな事ないですよ。私はあなたが側にいてくれるだけでモチベーションが上がるので。それにあなたは私のアシスタントですから」
「……は?」
アシスタントなのはそうなのだが……。側にいてくれるだけでモチベが上がると言う文言に対しては何言ってんだこの人。という気持ちと嬉しい気持ちが同時に湧く。嫌いな人に言われたらなんか気持ち悪いであろう言葉なのに嬉しがってる自分が確かに存在する。し、何かときめいたような感情も知覚する。
「というわけで準備を進めましょう。その荷物はそのまま持って行って構いませんので」
「はっはい。あと、持っていくのは……」
「商品のパンフレットなど持ち物は全て私が持っていますので大丈夫です」
「そ、そうですか……わかりました。それ、私が持ちましょうか?」
「ではお願いできますか?」
「はい。もちろんです!」
預かった資料はファイルの中に入れて大事にトートバッグの中に入れる。そして私は本条部長の後ろをついていくようにして営業部の部屋を後にした。
「あの、営業先の移動は……」
「社用車が出ているので私の車になりますけど構いませんか?」
「えっ」
(本条部長の車?!)
「い、いいですけど……」
こんな空気の中じゃもちろんオッケーだと言わざるを得ない。それにしてもどんな車に乗っているんだろうか。どうせ外車なんだろうけど。
と考えながらオフィスビルの地下にある駐車場へエレベーターで降りる。そして駐車場の左側へと歩くとそこには真っ赤に彩られた外車があった。
(やっぱり!!)
けど妹達が言っていたようにまだ信用しちゃいけない気がする……!
「では今日のスケジュールを確認します。今日松山君のお子さんが高熱を出してしまい、彼の奥さんも出張でおらず誰も世話できる人がいないからという事でお休みになりまして。なので彼の営業先へ私とまおさんが代理で行く事になりました」
「ふぇっ」
いきなり営業先へ行くのか?! 私はそのような経験は無いからうまく出来るだろうか。
しかも本条部長と2人っきり……。
「わ、分かりました。けどその私営業の経験ないですけど大丈夫ですか?!」
「あなたは私のそばにいるだけで大丈夫です」
(なんか遠巻きに私は使えないと言われてる気がしてる……でも実際そうだよね)
だって私は営業経験ゼロ。そんな人が戦力として使えるかと聞けば絶対にノーなのは分かり切ってる。
「や、なんかすみません」
「なんで謝るんですか?」
「だって私営業未経験ですし絶対戦力にはならないでしょうから」
「そんな事ないですよ。私はあなたが側にいてくれるだけでモチベーションが上がるので。それにあなたは私のアシスタントですから」
「……は?」
アシスタントなのはそうなのだが……。側にいてくれるだけでモチベが上がると言う文言に対しては何言ってんだこの人。という気持ちと嬉しい気持ちが同時に湧く。嫌いな人に言われたらなんか気持ち悪いであろう言葉なのに嬉しがってる自分が確かに存在する。し、何かときめいたような感情も知覚する。
「というわけで準備を進めましょう。その荷物はそのまま持って行って構いませんので」
「はっはい。あと、持っていくのは……」
「商品のパンフレットなど持ち物は全て私が持っていますので大丈夫です」
「そ、そうですか……わかりました。それ、私が持ちましょうか?」
「ではお願いできますか?」
「はい。もちろんです!」
預かった資料はファイルの中に入れて大事にトートバッグの中に入れる。そして私は本条部長の後ろをついていくようにして営業部の部屋を後にした。
「あの、営業先の移動は……」
「社用車が出ているので私の車になりますけど構いませんか?」
「えっ」
(本条部長の車?!)
「い、いいですけど……」
こんな空気の中じゃもちろんオッケーだと言わざるを得ない。それにしてもどんな車に乗っているんだろうか。どうせ外車なんだろうけど。
と考えながらオフィスビルの地下にある駐車場へエレベーターで降りる。そして駐車場の左側へと歩くとそこには真っ赤に彩られた外車があった。
(やっぱり!!)