大嫌いで大の苦手な強面上司が私だけに優しくしてくるなんて聞いていない
私の弁当はたまごのふりかけが乗ったご飯にウインナーを茹でたのが3本、冷凍食品の小さなグラタンにピーマンとちりめんじゃこにかつおぶしとめんつゆを絡めて炒めたものと茹でたブロッコリー……というメニューだ。やっぱり弁当を作るのは楽しい。
そういえば本条部長は今頃昼食を食べているのかな? いや、なんで本条部長の事を考えているんだ、自分……。
「まお姉、野菜炒め美味しいよ。食べたら?」
「じゃあちょっと貰うけど……あんたも食べなさいよ」
「わあーーってるって」
しおは幼い頃から少食だ。好き嫌いはないけど食べる量が少ない。回転寿司に言っても大体4皿くらいでギブアップするくらいには食べないし食べられない。それゆえか私やみおよりもだいぶ華奢で生理もまだ来ていない。言い方は悪いがガリガリ一歩手前と言った具合である。
みおはわりと食いしん坊だけど……姉妹でこんなに違うものなのかと食事の時は本当に思う。
(本条部長って好きな食べものあるのかなーー……)
「姉ちゃん? 姉ちゃん?」
「……はっ」
「姉ちゃんぼーーっとしてるじゃん。まだ治ってないんじゃないの?」
「みお違うって! 考え事してただけだから!」
「本条部長の事でしょ?」
ナゲットをつまむ母親からそうでしょ? と得意げに横目でちらりと見られた私。
「そうだけど……」
と投げやりに言うと妹達からは本条部長ってあのヤバい人でしょ?! と次々に言われる。
「まお姉部長に怒られたの?」
「怒られてはない。だけどなんかめっちゃ優しくされて困惑してる」
「えーー、それ罠じゃない? 上げて落とすやつ。ほら新入りには優しくして慣れた所で厳しくする……みたいな」
「あーーね。しおの言う通りかもしんないけど……」
「けど?」
確かにしおの言う通り本条部長は嫌いで苦手だしまだ信用出来ない。でも本条部長に優しくされてキュンキュンドキドキしている自分もいる。
(なんだろ、考えるだけでドキドキする……)
「なんかさ、ドキドキするんだよね」
「姉ちゃんさあ。さては本条部長に惚れたな? ちょろくない?」
「はあ? 何いってんのみお!」
そういえば本条部長は今頃昼食を食べているのかな? いや、なんで本条部長の事を考えているんだ、自分……。
「まお姉、野菜炒め美味しいよ。食べたら?」
「じゃあちょっと貰うけど……あんたも食べなさいよ」
「わあーーってるって」
しおは幼い頃から少食だ。好き嫌いはないけど食べる量が少ない。回転寿司に言っても大体4皿くらいでギブアップするくらいには食べないし食べられない。それゆえか私やみおよりもだいぶ華奢で生理もまだ来ていない。言い方は悪いがガリガリ一歩手前と言った具合である。
みおはわりと食いしん坊だけど……姉妹でこんなに違うものなのかと食事の時は本当に思う。
(本条部長って好きな食べものあるのかなーー……)
「姉ちゃん? 姉ちゃん?」
「……はっ」
「姉ちゃんぼーーっとしてるじゃん。まだ治ってないんじゃないの?」
「みお違うって! 考え事してただけだから!」
「本条部長の事でしょ?」
ナゲットをつまむ母親からそうでしょ? と得意げに横目でちらりと見られた私。
「そうだけど……」
と投げやりに言うと妹達からは本条部長ってあのヤバい人でしょ?! と次々に言われる。
「まお姉部長に怒られたの?」
「怒られてはない。だけどなんかめっちゃ優しくされて困惑してる」
「えーー、それ罠じゃない? 上げて落とすやつ。ほら新入りには優しくして慣れた所で厳しくする……みたいな」
「あーーね。しおの言う通りかもしんないけど……」
「けど?」
確かにしおの言う通り本条部長は嫌いで苦手だしまだ信用出来ない。でも本条部長に優しくされてキュンキュンドキドキしている自分もいる。
(なんだろ、考えるだけでドキドキする……)
「なんかさ、ドキドキするんだよね」
「姉ちゃんさあ。さては本条部長に惚れたな? ちょろくない?」
「はあ? 何いってんのみお!」