【更新お休み中】歳下幼なじみのナマイキな溺愛〜最強総長の誘惑に、翻弄されて〜

その事に嫌気がさしたけど和泉は特に変わりない様子で私に話しかける。



「……なるほどね」


「ほら、とりあえずこれ被って後ろ乗れよ」



はぁ、とため息をつきながら和泉は私専用のヘルメットを取り出すと渡してくる。


……私、いつの間にか和泉に専用のヘルメット用意してもらってるんだよなぁ。最初は遠慮していたけど、なんだか押し切られちゃって。


結局はいつも使っている。


私は、ポニーテールを少し下にゆい直し、ヘルメットを被る。バイクにまたがった和泉の後ろに静かに跨り、そっと和泉の腰に手を回す。


この瞬間がいつもドキドキする。


和泉をいつも以上に近くに感じて。


どうしたらいいのか分からなくなるけど。この瞬間が、たまらなく幸せだということもわかってしまっていた。



「じゃあ、行くぞ」



和泉の声と共にバイクのエンジン音がフルに稼働する。私は腕に力を込め、振り落とされないようにしっかりと掴まった。
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