シークレットシスターーDance with the Devilー
土曜日、僕は永井家を訪ねた。

ピーンポーン

チャイムを鳴らすと、
「はーい」

ドアの向こうから声が聞こえた。

ガチャッと玄関のドアが開いたかと思ったら、
「あら」

そこから顔を出したのは、黒髪ボブの美しい女性ーー高校2年生の風花さんだった。

「あっ…」

「もしかして、弟ーー成海の友達かしら?」

首を傾げて聞いてきた風花さんに、
「そ、そうです…あの、こんにちは…」
と、僕はあいさつをした。

「こんにちは、すぐに成海を呼んでくるから待ってて」

風花さんはニコリと僕に向かって笑いかけると、僕の前から立ち去った。

その後ろ姿を見送ると、
「ーーめちゃくちゃ美人じゃん…」
と、僕は呟いた。

弟も美人ならば姉も美人だった。

心臓がドキドキと、早鐘を打っている。

両手を頬に当てると熱を持っており、冷えた指先が温まるのを感じた。
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