再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する

俺もやっと電話が終わった。

「丈慈！　今もの凄い美人の人いた！　ブルーのドレスの人形みたいな人！　たぶん日本人。なにあれ。ヤバかったわー」

さっきの彼女だ。

「どこに！」

「え⁈ 会場の入り口の所…」

俺は慌ててその場を駆け足で離れた。

「じょ、丈慈⁈」

背中から翠の声が聞こえたが無視する。

会場を出て彼女がいないか辺りを見回すもそれらしき女性はいない。

どこに行った？
そう遠くには行けないよな？

そう思いブルーのドレスを探す。

いないな…。

もしかしてと思い隣の会場へ入る。

こっちは俺たちがいた会場とはまた違う雰囲気だ。
工芸品や茶道に書道、華道など様々な伝統文化を披露する場になっていた。

やっぱりいないか…。

会場から出ようとしたその時、生けられた花に目が止まった。