再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する

勢揃い

〜丈慈side〜

「俺、結婚する事なった」

隣で物凄いスピードでパソコンを打つ大河と、こっちのテーブルで作業中の翠にシレッと報告する。

「「了解」」

声を揃えて返事が返ってきた。
これ絶対聞いてないやつだ。
まぁいい。報告はした。

「おん」

そして少しの間の後大河が気づいたようで声をあげる。

「……は⁈ 結婚って言ったか⁈」

大河は手を止めてバッとこっちを向く。

「ああ。結婚する。天音と」

「えーーーー⁈」

翠も聞いていたようでここが執務室だということも忘れ大声で叫ぶ。
大河は驚きのあまりパクパクと口が動いている。

「は⁈ いつの間に⁈　お前、連絡取れなくていたんじゃなかったのかよ」

「え⁈ どこの誰⁈ 知ってる人⁈」

二人して質問攻めだ。

「ああ。あ、そう言えば…。お前、あの時の春香ちゃん」

「春香ちゃんだぁ⁈ お前、会ったんか⁈」

やべぇ。すっかり忘れてた。
ものすごい形相で俺を見てくる大河。

俺は街で偶然バッタリ会った事を話した。
それから天音の事も。