再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する
「大河お前、春香ちゃんの事…」
「別に…そんなんじゃねぇよ」
ククククッ。
惚れてんだな。
「結ちゃんとこのブランドのショップ店員だとよ。〇〇ビルの。悪いが連絡先は交換してない。お前がその気なら天音に聞こうか?」
「いやいい。直接店行くわ」
行くんかい。
「おう。頑張れよ」
「ん。お前もな。おめでとさん」
大河は短く返事をした。
「え? パリでも会ったって言った? もしかしてあの時の? ブルーのドレスの人? 丈慈追いかけてたよね⁈」
今まで大人しかった翠が話し出した。
放心していただけだったようだ。
「ああ。それ」
翠がみるみる目を大きく開けた。
「うっそ! やーばっ! マジで? 本当に? あの超絶美女? え? あの前髪のだよね⁈」
前髪?
ああ。
「そうだな。あれが天音」
「やっば! 気絶しそ。 私より年上?」
「いや、お前の二つ下だな」
「やーっば! やばいやばいやばいやばい。嬉しすぎ。嬉しい。やばい。めーっちゃ」
そう言って物凄いスピードで携帯を操作してる。
これは今頃アイツらに一斉に報告メールが行ったやつだ。
ピコン
ほら。きた。
グループメールの通知が鳴った。
「そういう事だから」