再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する


「大河お前、春香ちゃんの事…」

「別に…そんなんじゃねぇよ」

ククククッ。
惚れてんだな。

「YUIちゃんとこのブランドのショップ店員だとよ。〇〇ビルの。悪いが連絡先は交換してない。お前がその気なら天音に聞こうか?」

「いやいい。直接店行くわ」

行くんかい。

「おう。頑張れよ」

「ん。お前もな。おめでとさん」

大河は短く返事をした。

「え? パリでも会ったって言った? もしかしてあの時の? ブルーのドレスの人? 丈慈追いかけてたよね⁈」

今まで大人しかった翠が話し出した。
放心していただけだったようだ。

「ああ。それ」

翠がみるみる目を大きく開けた。

「うっそ! やーばっ! マジで? 本当に? あの超絶美女? え? あの前髪のだよね⁈」

前髪?
ああ。

「そうだな。あれが天音」

「やっば! 気絶しそ。 私より年上?」

「いや、お前の二つ下だな」

「やーっば! やばいやばいやばいやばい。嬉しすぎ。嬉しい。やばい。めーっちゃ」

そう言って物凄いスピードで携帯を操作してる。
これは今頃アイツらに一斉に報告メールが行ったやつだ。

ピコン

ほら。きた。
グループメールの通知が鳴った。

「そういう事だから」
< 107 / 286 >

この作品をシェア

pagetop