再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する
「わ、わかった! でも、ふふふ。なんか楽しみっ」

ははは。
天音はもともと明るい性格してるしな。
間違いなく妹たちとは気が合うはずだ。

「よし。着いた」

「ここ? オシャレすぎない⁈ こんなんリゾートホテルじゃん!」

「まぁ、そんな風にも見えるな」

天音はすごーい! オシャレー! を連発してる。
天音はこういうのが好きなのか?

顔合わせの後一度きちんと報告しに天音の実家に行ったが、物凄い豪邸だった。
さすがというか。
立派すぎる日本家屋に建設関係の仕事をしている俺はついつい視察に行ったみたいな気になってしまったほどだ。

「こっちだ」

「お帰りなさいませ。神楽様」

24時間在中する男性のコンシェルジュが声をかける。

「佐々木さん。お疲れ様です。俺のフィアンセの天音です。よろしくお願いします」

俺も声をかければ、天音もにこやかに会釈をした。

佐々木さんは一度見た人の顔は忘れないスーパーコンシェルジュだ。

「おお。これはこれは。おめでとうございます」

すっかり目元のシワが深くなったな。
佐々木さんは俺たちがガキの頃からここのコンシェルジュをしている。

「ありがとう。それじゃ」
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