再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する


そしてインターフォンを押す。

「はーい」

お袋の元気な声が聞こえて扉が開いた。

「今の妹さん?」

「いや、お袋」

「声わっか!」

ククククっ。
こりゃ見たらもっと驚くかもな。
俺のお袋はバケモン並に若く見える。
ありゃバケモンだ。

そしてエレベーターに乗る。

「五階な」

ポーンと到着してエレベーターが開いた。

「え? ドア一つ?」

「ああ。俺んちだけ」

天音の顎がぎゃーんと下に開いた。

「ヨダレでんぞ」

そしてまたインターホンを鳴らす。
いよいよだ。

「いらっしゃ…えーーーーー!? キャーー!
純平ーーー! お人形さんいるーーー!」

そう言ってお袋は天音に飛びついた。

「かわいいー! 美人ー! 天音ちゃーん! 会いたかったのー!」

「ちょ! おい! やめろ!」

俺はお袋を天音からひっぺがす。
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