再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する

「はい」

『丈慈。見て』

そう言って一度モニターから外れたと思えば赤ん坊を持ち上げ見せてきた。

は?

『あなたの子よ』

天音を見れば驚愕の顔をしている。

「ちょっと待ってくれ」

そう言って一度モニターを切る。

天音はその間に今帰ってきたばかりというのにまた荷物を持って出て行こうとしている。

「天音! 違う! この家だって教えてない! 信じてくれ!」

天音の手を取り慌てて引き止める。

「丈慈…」

天音の瞳がグラグラと揺れる。

「ちょっとだけ、ちょっとだけ話してくるから。絶対出ていくなよ? いいな?」

天音の両肩に手を置いて顔を覗きながら言う。
すると仕方なくコクンと頷いた。

「んじゃ行ってくる」

天音の頭をポンと撫で俺は一旦外に出ることにした。
この家にはどう考えても入れたくない。

エントランスに出て、フリースペースになっている所へ向き合って座る。
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