再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する
下を向く天音の手を引いて一緒に部屋まで戻るとソファに座る。

「天音。おいで」

そのまま引き寄せ向かい合うように天音を俺の上に座らせる。
天音はまだ下を向いている。

天音の手をとって俺の首の後ろへ持っていき、俺は囲うように天音の背中の後ろで手を組んだ。

「天音ごめんな。俺、天音に会うまで女なんて都合の良い道具みたいに…」

「道具って…」

「ちゃんとした付き合いなんてしてこなかったんだよ。天音が初恋って言ったのは嘘じゃないんだ」

「丈慈…」

「この家だって翠たち以外の女はあげた事ないし教えた事もない。本当だ。ましてやあの女とは一年前のパリの数ヶ月前から関係を待っていなかったし、パリから帰国した時に切ってた。他の女もそう。パリで天音に会って以降、誰とも何もしてない」

まさかこんな言い訳みたいな事をいう日が来るとは。
出来れば言いたくなかったが正直に謝るしかない。
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